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大成住宅
コラム

中庭のある家・コートハウスを佐世保で|間取りと注意点

中庭のある家を調べていると、コートハウスという言葉も出てきます。同じものなのか、違うものなのか。

結論から書きます。建物が中庭を囲み、外ではなく内側に開く住まいの形をコートハウスと呼びます。囲み方でL字型・コの字型・ロの字型に分かれます。「中庭のある家」という言い方とは、ほぼ重なります。

分かれるのはその先です。佐世保・佐々でどの型を選ぶかは、好みだけでは決めきれません。年間1,989mmの雨と、平坦な土地の少なさが効いてきます。創業34年、設計から現場管理まで一貫して見ている立場から、図面を引く前に決めておくことを書きます。

中庭のある家とコートハウスは何が違うのか

court は中庭を意味します。住宅の分野では、中庭を建物で囲んで内側に開く形式をコートハウスと呼びます。「中庭のある家」はもう少し広い言い方で、建物が囲みきっていないものも含みます。

囲み方は3つに分かれます。

囲み方

視線

採光・通風

工事費

佐世保での成立しやすさ

L字型

建物2辺+塀

塀の高さで調整

取りやすい

抑えやすい

高低差のある土地でも納まる

コの字型

建物3辺

一方向だけ開く

取りやすい

中間

平坦地なら現実的

ロの字型

建物4辺

完全に閉じる

中庭からのみ

上がりやすい

敷地を選ぶ

厳密にいうと、コートハウスと呼ばれるのは主にコの字型とロの字型です。L字型は建物2辺と塀で囲む半囲いなので、どこまで含めるかは書き手によって変わります。ただし佐世保・佐々の敷地条件では、この半囲いが落としどころになる場面が多いので、この記事では3つ並べて扱います。

ロの字型は、道路や隣家からの視線をいちばん抑えやすい形です。カーテンを閉めきらずに過ごしやすくなります。ただし隣に2階建てが建つ、斜面の上から見下ろされるといった条件では、完全には閉じません。そのかわり道路側の外観は壁が続く見え方になります。通りに対してどこまで閉じるかは、実際に敷地に立たないと決められません。

コの字型は一方向が開くので、光と風が入りやすく、中庭に出入りする動線も取りやすい。ロの字型ほど閉じないぶん、開いた側に塀や植栽で目隠しを足すかを別に考えます。

L字型は囲い方としてはいちばん緩く、そのぶん土地の条件に合わせやすい。後述しますが、佐世保・佐々ではこの型が現実解になる場面が多くあります。

佐世保・佐々でいちばん効くのは、雨をどう逃がすか

気象庁の平年値(1991〜2020年)によると、佐世保の年間降水量は1,989.0mm、最も多い7月は342.2mmです(出典:気象庁 過去の気象データ検索・佐世保の平年値)。

中庭は三方または四方を囲まれた「器」です。降った雨は、地面にしみ込むぶんを除けば、中庭の排水計画に頼って外へ出すことになります。塀の外へ自然に流れていく普通の庭とは、ここが違います。

現場でよくご相談いただくのが、この排水の設計です。押さえるのは3点あります。

1. 排水口を1か所に頼らない。 詰まった瞬間に逃げ道がなくなります。

2. 中庭の仕上げレベルを室内より下げ、下げ代を数字で決める。 中庭の地面と、サッシ下枠(室内の床レベル)との差をどれだけ取るか。

3. オーバーフローの天端を、サッシ下枠より低い高さに置く。 桝が飲めなくなったとき、水が室内に届く前に別の経路へ抜ける高さにしておきます。下げ代とオーバーフローは、セットで初めて効きます。

排水口が落ち葉で詰まると、中庭に水が溜まります。水位がサッシの下枠を超えれば、室内に入ります。中庭にシンボルツリーを植える計画なら、落ち葉が排水口に集まる前提で、桝の位置と点検のしやすさを決めておきます。

ここがこの間取りの弱点です。庭木のある中庭は、年に何度か排水口を見に行く前提で計画する家になります。それを面倒だと感じるなら、落葉しにくい樹種に変える、中庭を小さくする、L字型にして一方を開ける。図面の段階なら選べます。

雨に加えて風もあります。台風のとき、囲まれた中庭は風が抜けにくく、吹き込んだ風が中で回ることがあります。置いたままの物は動きます。中庭に使う家具や物置は、固定できるものを選ぶか、しまえる場所を近くに作っておきます。

中庭をつくると外壁が増える。効いてくるのは10年後

同じ延床面積でも、中庭をつくると建物の外周が伸びます。外壁の面積が増え、サッシの本数が増え、外壁と屋根がぶつかる取り合いも増えます。

建てるときの工事費が上がるのは、想像しやすいと思います。見落とされやすいのはその後です。外壁の塗り替えやシーリングの打ち替えは、面積と長さで金額が決まります。中庭のぶんだけ、将来の維持費の土台が大きくなります。

ロの字型にはもう1つあります。中庭側の外壁を塗り替えるとき、足場をどう組むか。四方を建物で囲んでいると、道路から資材を入れる経路がありません。設計の段階で将来の足場と搬入経路を想定しておくと、10年後の見積もりが変わります。

大成住宅は新築だけでなく、外壁・屋根・水回りのリフォームまで同じ窓口で受けています。建てたあとに何がかかるかを、建てる前の図面の段階でお話しできるのはそのためです。金額は仕様・構造・敷地条件で変わりますので、計画に合わせてお見積りします。中庭のプランがある状態でしたら、その図面のまま維持費の話まで一緒に見られます。

敷地に高低差があるなら、L字型から考える

佐世保・佐々は平坦な宅地が多くありません。傾斜地や造成地で、敷地の中に高低差が残っている土地はよくあります。

ロの字型は、建物が敷地を大きく占めます。四方を囲むには、その範囲の地面を1つのレベルに揃えることになります。高低差があると、造成と基礎の費用がここで膨らみます。土地の価格を抑えられても、造成や基礎で費用が増えることがあります。

L字型なら、残りの2辺が開いています。高低差をそのまま活かして、中庭の床レベルを室内と変えることもできます。土地の形が整っていない場合も納まりやすい。傾斜地をどう読むかという意味では、スキップフロアの考え方とも重なります。

土地探しから相談されている場合は、中庭を前提に敷地を選ぶという順番も取れます。大成住宅は不動産の売買も扱っているので、土地の条件と間取りを同時に見られます。

面積を取れないときは、坪庭という選び方がある

中庭のために延床を削ると、部屋が小さくなります。土地に余裕がないとき、中庭より小さい坪庭で視線の抜けだけを作る方法があります。

佐々町ひうみ町のT様邸では、片流れ屋根の平家に、シンボルツリーを植えた坪庭を組み合わせました(施工事例:ひうみ町T様邸)。

坪庭は面積が小さいぶん、排水に集める水の量を抑えられます。落ち葉も植栽の量でコントロールしやすい。平家との相性がよく、廊下や水回りの奥に光を落とす使い方ができます。中庭を丸ごとやらなくても、暮らしの手触りは作れます。

平屋で検討している方は、平屋の間取りで後悔しないための考え方も併せてご覧ください。

よくあるご質問

Q. コートハウスは狭い土地でも建てられますか。

敷地の条件次第で成立します。もともとコートハウスは、隣家が近くて外に開きにくい土地で、内側に開くための手法です。ただしロの字型は建物が敷地いっぱいに広がるため、隣地との離れや斜線制限で成立しないこともあります。土地が決まっているなら、その敷地図で判断できます。

Q. 中庭に屋根をかけてもいいですか。

屋根をかけると建築基準法上の扱いが変わる場合があります。規模・構造・防火の指定によっては、建築面積に算入されるか、採光や換気の計算がどう変わるか、増築として確認申請が要るかまで判断が分かれます。「後から屋根をかけたい」という要望は着工後に出てくることが多いので、可能性があるなら設計の段階でお伝えください。

Q. 虫や湿気が心配です。

囲まれた空間は風が抜けにくく、湿気が残りやすい面があります。コの字型やL字型で一方向を開けておくと、風の通り道ができます。植栽の量と、地面の仕上げを土のままにするか、砂利やたたき(三和土)にするかでも変わります。

まとめ

中庭のある家とコートハウスは、ほぼ同じものです。L字型・コの字型・ロの字型のどれを選ぶかで、暮らしと費用が決まります。

佐世保・佐々で判断を分けるのは、この3点です。

  • 年間1,989mmの雨をどこから逃がすか(排水口の数・下げ代・オーバーフローの天端)
  • 増えた外壁を10年後にどう塗り替えるか(足場と資材の搬入経路)
  • 敷地の高低差をならすか、活かすか(ロの字型かL字型か)

図面を引く前に、土地の資料と現地の状況を一緒に確認できます。大成住宅は営業担当を通さず、建築士・施工管理技士が直接お話を伺います。中庭が成立する敷地なのか、坪庭に振ったほうがいいのかは、現地を見れば早い段階で判断がつきます。

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