アメリカンハウス・レンガの家を佐世保で|維持費の話
アメリカンハウスやレンガの家を調べると、出てくるのは外観の写真と間取りの話です。輸入住宅の記事もだいたい同じで、デザインと雰囲気で終わります。
ただ、建ててから効いてくるのはそこではありません。ひとくちに「レンガの家」といっても外壁は3種類あり、10年後20年後に出ていくお金が変わります。 見た目は似ていても中身は別物です。
大成住宅は輸入住宅を21棟建ててきました。創業34年、設計から現場管理まで一貫して見ている立場から、外観の好みだけでは決まらない部分を書きます。
アメリカンハウス・輸入住宅は何を指しているのか
言葉の整理から始めます。輸入住宅は、北米や北欧の設計・仕様・部材で建てる住宅の総称です。そのうち北米系のデザインを指すときに、アメリカンハウスと呼ばれます。
見分けやすい特徴はこのあたりです。
要素 | 特徴 |
|---|---|
工法 | ツーバイフォー(枠組壁工法)が中心。面で支える作り |
外壁 | レンガ、下見板張り(ラップサイディング)、しっくい風 |
屋根 | 勾配が急で、切妻の三角が強く見える |
開口 | 上げ下げ窓、格子入りの窓 |
内部 | 高い天井、造作の建具、幅木や廻り縁が太い |
日本の在来木造が柱と梁の「線」で支えるのに対し、ツーバイフォーは壁と床の「面」で支えます。この違いが、後で書く間取りの自由度と、断熱・気密の作りやすさにつながります。
「レンガの家」の外壁は3種類ある。ここで維持費が分かれる
いちばん誤解が多いのがここです。「レンガの家」として建てられている住宅の外壁には、大きく3つあります。
1. 本物のレンガ。 レンガそのものを外壁材として使います。大成住宅でも選べます。そのぶん費用は上がります。
2. レンガ調のタイル。 焼き物のタイルをレンガの形と色で作り、外壁に張ったものです。大成住宅が建ててきた輸入住宅では、この仕様がいちばん多くなっています。
3. レンガ柄のサイディング。 窯業系の板材にレンガ柄をプリント、あるいは型押ししたものです。安く、工期も短く、遠目には近づきます。
見た目は3つとも似ています。ただ、建てた後の扱いは1・2と、3で分かれます。
分かれ目はひとつです。素材そのものが色を持っているのか、塗膜で色を出しているのか。
本物のレンガもレンガ調タイルも焼き物です。素材そのものが色を持っているので、塗装仕上げではありません。塗り替えという工事が発生しません。 ただし手入れが不要という意味ではなく、目地と下地側の防水層は点検します。
一方、窯業系のサイディングは表面の塗膜で保護しています。塗膜は紫外線と雨で劣化するので、定期的に塗り替えが要ります。板と板のつなぎ目のシーリングも、痩せたり切れたりするので打ち替えが要ります。足場を組んで、外壁一周ぶんの工事です。これが家がある限り繰り返されます。
本物のレンガとレンガ調タイルの差は、主に厚みと質感、そして費用です。維持の面ではどちらも塗り替えが回ってきません。費用を抑えたいならタイル、質感を取りたいなら本物のレンガ、という選び方ができます。
初期費用は本物のレンガがいちばん上がり、レンガ調タイル、窯業系サイディングの順に下がります。ただし塗り替えが回ってくるのは窯業系だけです。どちらが合理的かは、その家に何年住むかで変わります。 建てて10年で手放す前提なら初期費用の安いほうが有利ですし、子どもに引き継ぐ前提なら計算が逆になります。
ラップサイディングという選択肢
もうひとつ、アメリカンハウスらしい外壁にラップサイディング(下見板張り・横張り)があります。細長い板を下から順に重ねて張っていく作りで、北米の住宅で広く使われている外観です。大成住宅でも建てています。
ここでも見るのは同じ点です。同じラップサイディングでも、素材によって塗り替えが要るかどうかが変わります。
北米で広く使われている樹脂製のものは、素材に色が入っているので塗り替えを前提にしません(退色や割れによる部分交換、清掃は残ります)。一方、日本で流通しているものは窯業系が多く、この場合は表面の塗装で色を出しているため、塗り替えの周期が回ってきます。木製は風合いが出る反面、手をかける前提の外壁です。
大成住宅ではどちらの素材でも対応できます。見た目をラップサイディングに決めたうえで、維持費の考え方から素材を選ぶことができます。
なお、これは他社で見積もりを取るときにも使える見方です。仕様書に「ラップサイディング」とだけ書いてあっても、塗り替えが回ってくるかどうかは判断できません。素材まで確認してください。
つまり外壁は「レンガか、サイディングか」の二択ではありません。見た目の好みと、塗り替えが回ってくるかどうかは、別々に選べます。
佐世保では、外壁の維持費がもう一段効く
外壁の話は全国どこでも同じに見えますが、地域で条件が変わります。
佐世保は海に近く、潮風の影響を受ける敷地があります。塩分は金属部を傷めますし、外壁に付着すれば塗膜の劣化も早めます。加えて年間の降水量が多く、台風も通ります。敷地によっては、一般に言われる目安より早めに点検が必要になります。
塗り替えの周期が短くなれば、その差は回数として積み上がります。たとえば30年住むあいだに塗り替えが3回になるか4回になるかで、総額はかなり変わります。実際の回数は外壁材と塗料、敷地の環境で変わりますが、ここは見積書の一枚目には出てこない部分です。
ただし、佐世保市内でも敷地によって条件はかなり違います。海が見える高台と、山側に入った谷筋では、風の当たり方も潮の届き方も別物です。同じ市内だからと一括りにはできません。
判断の材料は、その土地の周りにあります。近所の家の外壁がどうなっているかが参考になります。 築15年ほどの家で、南面と西面だけ色が抜けている、シーリングが切れている、金物に錆が出ている。そういう状態が並んでいれば、その敷地は外壁に厳しい場所だと考えられます。もちろん築年数も外壁材も手入れの履歴も家ごとに違うので、これだけで決めつけはできません。逆に、内陸で建物に囲まれた敷地なら、そこまで神経質にならなくても構いません。
土地が決まっている方は現地を一緒に見られます。外壁にお金をかけるべき敷地なのか、そこは抑えて別のところに回せる敷地なのか。予算の配分がここで変わります。
大成住宅は新築だけでなく、外壁・屋根・水回りのリフォームまで同じ窓口で受けています。建てた後に何がかかるかを、建てる前の図面の段階でお話しできるのはそのためです。金額は仕様と敷地条件で変わるので、計画に合わせてお見積りします。
ツーバイフォーの強みと、間取りの制約
輸入住宅で採用されることの多いツーバイフォー工法についても書いておきます。
強みは、面で支える作りなので力が分散しやすく、隙間ができにくいことです。壁の中に断熱材を入れやすく、気密も取りやすい。冬の寒さ、夏の暑さに効いてきます。ただし工法そのものが性能を保証するわけではなく、実際の強さや断熱性能は設計と施工の精度で決まります。
制約もあります。壁が構造を支えているので、後から自由に抜けません。 在来木造でも耐力壁や筋交い、梁の大きさ、金物、床の固さまで確認する必要はありますが、条件が合えば動かせる余地はあります。ツーバイフォーはその余地が小さくなります。大きな吹き抜けや、壁を一枚も入れない広いLDKは、設計の初期に構造と一緒に決める必要があります。将来のリフォームで間取りを大きく変える場合も、同じ制約がかかります。
耐震の考え方そのものは耐震等級3は必要かにまとめています。
デメリットも書いておきます
輸入住宅を選ぶときに、先に知っておいたほうがいい点です。
初期費用は上がりやすい。 レンガにしろ輸入部材にしろ、国内の標準的な仕様より単価が上がります。
部材の手配に時間がかかることがある。 窓や建具、水栓などを輸入部材で組んでいる場合、故障や破損の交換に国内品より日数がかかることがあります。長く住むほど、この点は効いてきます。手配ルートを持っている会社に頼むかどうかで差が出る部分です。
デザインの好みが分かれる。 急勾配の屋根や格子窓は、周りの家並みから浮くことがあります。これは欠点というより相性の話で、実物を見て決めるのがいちばん確実です。
よくあるご質問
Q. レンガの家は地震に弱くないですか。
昔ながらのレンガを積み上げただけの組積造とは作りが違います。現在の輸入住宅は木造(多くはツーバイフォー)で構造を作り、そこにレンガの外壁を納めます。構造そのものは木造なので、レンガを使っていること自体が地震に弱い理由にはなりません。ただしレンガをどう留め付けるか、下地と防水をどう作るかは施工の精度が出る部分です。
Q. 佐世保で輸入住宅を建てた実例はありますか。
あります。佐々町、佐世保市、松浦市、平戸市、伊万里市、有田町などで建ててきました。施工事例に掲載していますので、外観と内部の写真をご覧ください。実物をご覧になりたい場合はご相談ください。
Q. 輸入住宅風の外観だけを、国産の仕様で作ることはできますか。
できます。外観のデザインと、構造や部材をどこまで輸入仕様にするかは、分けて考えられます。予算に合わせて、レンガは使うが内部は国産部材で組む、といった調整も可能です。どこにお金をかけるかで満足度が変わるので、優先順位を一緒に整理します。
まとめ
アメリカンハウス・レンガの家を検討するときは、外観の好みと同じくらい、建てた後の維持費を並べて見てください。
判断が分かれるのはこの3点です。
- 外壁に何を選ぶか(本物のレンガ・レンガ調タイル・樹脂のラップサイディングは塗り替えなし。窯業系や木は塗り替えが回ってくる)
- 何年住むか(初期費用と維持費のどちらを取るかは、住む年数で答えが変わる)
- 間取りをどこまで自由にしたいか(ツーバイフォーは壁で支えるぶん、後から抜けない)
大成住宅は輸入住宅を21棟、在来木造も含めて34年建ててきました。完全自由設計(誂 -あつらえ-)では、外観と構法をどう組み合わせるかから一緒に決められます。営業担当を通さず、建築士・施工管理技士が直接お話を伺います。
商品としての仕様は輸入住宅のページにまとめています。
