コンテンツへ移動
大成住宅
コラム

中庭のある平屋を佐世保で|コの字型の間取りと注意点

平屋に中庭をつくると、外へ開かなくても光と風が入り、視線を気にせず過ごせます。人気があるのはそのためです。

ただし、2階建てで中庭をつくるのとは条件が変わります。敷地の広さ・屋根の形・動線の長さ。この3つが先に効いてきます。とくに屋根は、佐世保・佐々のように雨の多い土地では軽く扱えません。

創業34年、設計から現場管理まで一貫して見ている立場から、間取りを描く前に決めておくことを書きます。中庭そのものの考え方(L字・コの字・ロの字の違いや排水設計)は中庭のある家・コートハウスを佐世保でにまとめています。

平屋で中庭をつくるなら、まずコの字型から考える

中庭の囲み方には、L字型・コの字型・ロの字型があります。平屋でよく採用されるのはコの字型です。

理由は単純で、平屋は屋根と外壁が最初から大きいからです。同じ延床面積なら、平屋は総二階のおよそ倍の面積を1階に置きます。そこからさらにロの字型で四方を囲むと、建物の外周が一気に伸びます。工事費も、後で触れる屋根の複雑さも、そこで跳ね上がります。

コの字型なら三方で囲んで一方を開けます。囲まれた感じは十分に出て、開いた一方から光と風が抜ける。開けた側は塀や植栽で目線を切ります。平屋で中庭を成立させる現実的な落としどころがコの字型、というのが実感です。

L字型は二辺だけなので、もっと軽くなります。敷地が狭い、高低差がある、予算を抑えたいという条件が重なるなら、L字型から検討します。

最初の関門は、敷地が足りるかどうか

平屋の中庭でいちばん多い行き止まりが、敷地の広さです。

平屋は延床面積とほぼ同じだけの建築面積を取ります(軒やポーチの出方で厳密には一致しません)。同じ延床なら、総二階と比べて建築面積はおよそ倍になります。ここに中庭が加わります。中庭そのものは建築面積ではありませんが、建物に囲まれた空地として敷地の中に確保する必要があります。2階建てなら上に積んで逃がせる部分が、平屋では横に広がるしかありません。

敷地には建ぺい率の上限があり、用途地域によって数字が変わります。建物が敷地に対してどれだけ載せられるかで、中庭に回せる余地が決まります。加えて、隣地との離れ、駐車スペース、給湯器やエアコンの室外機を置く場所も要ります。図面の上では成立していても、現場で車が回らないという話は珍しくありません。

土地探しから相談されている場合は、中庭のある平屋を前提に敷地を選ぶという順番が取れます。大成住宅は不動産の売買も扱っているので、土地の条件と間取りを同時に見られます。逆に土地が決まっている方は、その敷地図があれば成立するかどうかを早い段階で判断できます。

屋根に「谷」が増える。ここが佐世保でいちばん効く

全国向けの記事ではあまり触れられていませんが、平屋の中庭で技術的にいちばん難しいのは屋根です

四角い平屋なら、屋根は片流れや切妻で素直に流せます。ところがコの字型で、切妻や寄棟を素直に掛けると、直交する屋根同士がぶつかる箇所が出てきます。ぶつかった内側はになります。谷には両側の屋根から流れてきた雨水が集まり、そこを谷樋で受けて外へ流すことになります。

つまり掛け方によっては、建物の内側に、大量の水が集まる線ができるということです。屋根の勾配の向きと高さの取り方しだいで、谷を作らずに納める方法もあります。

佐世保の年間降水量は1,989.0mm、最も多い7月は342.2mmあります(出典:気象庁 佐世保の平年値・1991〜2020年平年値)。雨の多い土地で、雨仕舞いの弱点になりやすい部位を自分から増やすことになります。

対処の方向は3つあります。

1. 谷を作らない屋根にする。 中庭側を水上(高いほう)にして、それぞれの屋根面を外周側へ流す。片流れで水勾配を外周側に統一できれば、谷を作らずに納められます。屋根の見え方は変わりますが、水が集まる線が建物の内側から消えます。外周側に軒先と樋が来るので、屋根に降った雨は敷地の外周で受けることになります。そちらの排水経路は別に考えます。

逆に、切妻や寄棟を混ぜたり、入隅に向かって下る屋根面が残ったりすると、コの字の入隅に谷が残ります。「コの字型なら必ず谷ができる」わけでも「この掛け方なら必ず消える」わけでもなく、屋根面をすべて外へ逃がしきれるかどうかで決まります。

2. 谷の数と長さを最小にする。 どうしても必要なら、位置と長さを設計で詰めます。

3. 落ち葉が溜まる前提で作る。 中庭に木を植えるなら、落ち葉は必ず谷と樋に集まります。点検できる位置に納め、掃除の経路を確保しておきます。

佐々町ひうみ町のT様邸では、片流れ屋根の平屋に、シンボルツリーを植えた坪庭を組み合わせました(施工事例:ひうみ町T様邸)。T様邸のように一方向へ素直に流す片流れなら、谷ができません。中庭ほど囲い込まずに視線の抜けをつくる方法として、雨の多い土地では合理的な選択です。

動線は長くなる。平屋なら回遊にできる

コの字型は、家の端から端までの距離が長くなります。ここは弱点として先に知っておいてください。洗濯物を持って移動する距離、朝の身支度で行き来する距離が、四角い平屋より確実に伸びます。

ただし平屋には、2階建てにはできない解き方があります。中庭をぐるりと囲む回遊動線です。

コの字の両端を廊下でつなぐ、あるいは中庭に面した縁側状の通路を通すと、行き止まりが消えて、どちらからも回れるようになります。距離そのものは変わりませんが、「戻る」動作が減るので体感が変わります。中庭に面した通路は光も入るので、平屋で暗くなりがちな中央部の対策も兼ねます。

間取りの組み方そのものは平屋の間取りで後悔しないための考え方に詳しく書いています。平屋全体のメリットと弱点は平屋のメリット・デメリットを参照してください。

傾斜地では、平屋の中庭は高くつく

佐世保・佐々は平坦な宅地が多くありません。ここで平屋と中庭の相性が悪くなります。

平屋は、床を一枚の平らな面として置きます。中庭を囲むなら、その範囲まで含めて地面を一つのレベルに揃えることになります。高低差のある敷地では、造成と擁壁の費用がここで膨らみます。土地の価格を抑えられても、造成で増えることがあります。

高低差のある土地で無理にコの字型を押し込むより、L字型にして段差を逃がす、あるいは中庭を諦めて坪庭にするほうが、総額では収まる場合があります。どちらが得かは敷地の形と高低差の量で変わるので、現地を見て判断します。

よくあるご質問

Q. 中庭のある平屋は、どのくらいの土地が必要ですか。

敷地の建ぺい率、隣地との離れ、駐車台数で変わるため、一律の坪数はお答えできません。ただ、同じ延床面積の総二階と比べると、平屋の時点で建築面積はおよそ倍になり、そこに中庭のぶんの空地が加わります。土地の候補があれば、その敷地図で成立するかどうかを計算してお見せできます。

Q. コの字型にすると寒くなりませんか。

外に面する壁とサッシが増えるので、断熱と窓の仕様が四角い平屋より効いてきます。逆にいうと、そこに手を入れれば改善しやすい話でもあります。中庭が南に開く配置で日射を取れる計画なら、冬の日中は暖かさを得やすくなります。効き方は方位・窓の面積・ガラスの性能で変わるので、夏の日射をどう切るかとセットで考えます。

Q. 中庭に屋根やテラスをかけたくなったら。

後から屋根をかけると、建築基準法上の扱いが変わる場合があります。規模や構造によっては増築として確認申請が必要になり、建築面積や採光・換気の計算にも影響します。可能性があるなら、設計の段階でお伝えください。最初から想定しておけば、下地や柱の位置を先に仕込んでおけます。

まとめ

中庭のある平屋は、囲まれた気持ちよさと引き換えに、面積・屋根・動線の3つを引き受ける間取りです。

佐世保・佐々で先に決めるのは、この3点です。

  • 敷地が足りるか(平屋の建築面積は総二階のおよそ倍。中庭の空地は建築面積とは別に敷地内に要る)
  • 屋根に谷を作るか、作らないか(年1,989mmの雨。谷は雨仕舞いの弱点になりやすい)
  • 高低差をならすか、L字や坪庭に振るか(造成費で総額が変わる)

大成住宅の完全自由設計(誂 -あつらえ-)では、敷地の形と高低差から屋根の流し方を先に決めて、そこから間取りを起こします。営業担当を通さず、建築士・施工管理技士が直接お話を伺います。平屋の実例は施工事例にも掲載しています。

土地が決まっている方は敷地図を、これから探す方は候補地の資料をお持ちください。

家づくりのご相談はこちら

技術者に直接相談できます

新築・リフォーム・土地探し、何でもお気軽にどうぞ。ご相談・お見積りは無料です。

営業時間: 平日9:00〜18:00 / 日曜・祝日9:30〜17:30

定休日: 5月連休・お盆・年末年始

電話メールLINE