古民家リノベーションの費用が膨らむ所|佐世保で直す前に
古民家を直して住みたい、というご相談が増えています。先に結論を書くと、古民家リノベーションの費用は、仕上げの材料より、床下・屋根・土壁・耐震といった見えない所で決まります。ここを見ないまま見積りを取ると、工事が始まってから金額が膨らむ。
制度の面でも、変化があった。2025年4月から、木造2階建ての大規模なリフォームには建築確認が必要です。国の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」も、令和8年度は実施されていません。直す前に、建物と制度の両方を確かめておきたい。
古民家は、今の家と建て方が違う
このコラムでは、昔ながらの木組みで建てられた古い家を古民家と呼びます。太い梁や柱を組み、壁は土壁、床下は風が抜けるつくり。今の家とは、建物の支え方も、湿気や寒さへの備え方も違います。
佐世保市の木造住宅の耐震診断の補助でも、対象の工法として「在来軸組工法、伝統的工法または枠組壁工法」が並んでいます(出典:佐世保市「佐世保市安全・安心住まいづくり支援事業」)。伝統的な工法の家も、診断の対象になる。
建て方が違う以上、直し方も今の家と同じにはなりません。古い材料を活かす所と、入れ替える所の見極めが、費用を左右します。
費用が膨らみやすい4つの場所
現場で古い家を開けると、費用が動くのはたいてい次の4か所。
場所 | 起きやすいこと |
|---|---|
床下・土台 | 湿気による腐れ、シロアリの跡。土台や床組の入れ替えが要ることがある |
屋根 | 瓦の下の下地の傷み、雨漏り。瓦は重く、耐震の面でも検討の対象になる |
壁(土壁) | ひび割れや剥がれ。断熱をどう足すかで、壁の直し方が変わる |
構造・耐震 | 1981年5月以前の建物は旧耐震基準。耐震診断のうえで補強の範囲を決める |
国土交通省も、昭和56年以前に建てられた建物は旧耐震基準によるもので、まず耐震診断を、と案内しています(出典:国土交通省「住宅・建築物の耐震化について」)。
どれも、内覧や外から見ただけではわかりません。床をめくり、天井裏をのぞいて、初めて範囲が決まる。費用は仕様・構造・建物の状態で変わるので、このコラムでは金額を出しません。現地を見てからお見積りします。
2025年4月から、大きなリフォームに建築確認が要る
2025年4月の建築基準法の改正で、木造2階建ての家の大規模なリフォームは、工事の前に建築確認の手続きが必要になりました。国土交通省の案内では、大規模なリフォームとは、壁・柱・床・はり・屋根・階段のどれか一種以上について行う過半の改修などを指します(出典:国土交通省 リーフレット(建築基準法改正・木造戸建の大規模なリフォーム))。
同じ案内に、例も載っています。階段の架け替えや屋根の全面的な改修は該当し、屋根や壁の仕上げ材だけの改修は該当しない。キッチン・トイレ・浴室などの水まわりや、手すり・スロープの設置は手続き不要です。木造の平屋で延べ面積200㎡以下なら、大規模なリフォームでも建築確認は要りません。
古民家で気をつけたいのは、手続きが要る場合、現行の基準に合っていない部分を合わせる工事が別に必要になることがある点です。佐世保市の案内にも、2階建てまたは200㎡を超える建物の審査期間は35日とあります(出典:佐世保市「【重要】建築基準法及び建築物省エネ法の改正について(令和7年4月施行)」)。工事の範囲と日程は、手続きを含めて考えておく必要があります。
補助金は、今年度は使えるものが限られる
国のリフォーム補助のうち「長期優良住宅化リフォーム推進事業」は、令和8年度は実施されていません(出典:長期優良住宅化リフォーム推進事業 公式サイト)。
佐世保市の木造住宅の耐震化の補助は、耐震診断と耐震改修で状況が違います。耐震診断は、昭和56年5月31日以前に着工した木造戸建てで、今住んでいる家などが対象で、受付は令和8年11月30日まで(定員になり次第終了)です。一方で、耐震改修の補助は「今年度の補助金はありません」とされています(出典:佐世保市「佐世保市安全・安心住まいづくり支援事業」)。
性能を上げるリフォームへの補助(住宅性能向上リフォーム支援事業)は、追加募集が先着で続いていて、予算がなくなり次第終わります(出典:佐世保市「佐世保市住宅性能向上リフォーム支援事業(追加募集)について」)。使える補助は、着工前の申請が必要です。最新の状況は佐世保市・佐々町のリフォーム補助金のまとめで確かめてください。
直す、民泊にする、手放す
古民家は、住むために直すだけが選択肢ではありません。民泊にする、貸す、売る、解体して土地として使う。直す費用が建物の価値を大きく超えるなら、ほかの道と比べてから決めたほうが失敗しにくい。
民泊に使う場合は、手続きも改修の範囲も変わる。空き家・古民家を民泊にする前に確かめることにまとめました。売る・貸す・直す・壊すの比べ方は、実家・空き家・相続不動産のご相談のページにあります。
大成住宅にできること
大成住宅は、間取りから変えるまるごとリノベーションをお受けしています。古民家の場合も、まず床下・小屋裏・屋根・壁を見て、活かす所と入れ替える所を分ける。そのうえで、建築確認が要るかどうか、使える補助があるかを含めて、改修の範囲と概算をお伝えします。
宅地建物取引業と建設業の両方を手がけているので、古民家を買って直す場合も、物件のご案内と改修の見立てを同じ窓口でできます。創業34年。佐世保・佐々の古い家を見てきた技術者が、営業担当を通さず直接ご相談に応じます。ご相談はお問い合わせフォームから受け付けています。
よくある質問
Q. 古民家リノベーションの費用は、どのくらいかかりますか?
建物の傷み具合と、直す範囲で大きく変わります。とくに床下・屋根・土壁・耐震の状態で金額が動くので、一律の目安はお出ししていません。現地で建物を見たうえで、範囲ごとの概算をお伝えします。
Q. 古民家のリフォームに、建築確認は必要ですか?
木造2階建てで、壁・柱・床・はり・屋根・階段のどれかを過半にわたって改修するような大規模なリフォームなら、2025年4月から必要です。仕上げ材だけの改修や水まわりの入れ替えは不要で、木造の平屋で延べ面積200㎡以下なら大規模なリフォームでも不要です。
Q. 佐世保市で、古民家の耐震診断に補助はありますか?
昭和56年5月31日以前に着工した木造戸建てで、今住んでいる家などを対象に、耐震診断の補助があります。伝統的工法の家も対象です。令和8年度の受付は11月30日まで(定員になり次第終了)で、耐震改修の補助は今年度はありません。
