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大成住宅
コラム

中古住宅を買う前の注意点|内覧で自分が見るところ

中古住宅の内覧は、たいてい30分から1時間です。その間に間取りと日当たりを見て、あとは不動産会社の説明を聞いて終わります。よくある流れです。ただ、買ったあとに費用が出るかどうかを分けるのは、間取りではなく建物の傷み方のほうです。専門家でなくても見られるところと、見えないところがあります。建物で自分が見る範囲は、床の沈み・天井の雨染み・床下点検口・外まわりの4つまでです。そのうえで、敷地と周辺も歩いて確かめます。壁の中と小屋裏と配管の中は割り切ってください。その線引きと、内覧のときに聞いておくことを、佐世保市・佐々町で中古住宅を扱っている立場から書きます。

自分で見られる4つ

持って行くものが3つあります。懐中電灯(スマホのライトでも足ります)、床の沈みを感じ取るために靴下で歩く心づもり(居住中の物件では先に一言断ります)、それと建築年の情報です。建築年はあらかじめ不動産会社に聞いておきます。

内覧の時間は限られています。全部を見ようとせず、費用が大きく動くところから見てください。

1. 床の沈みと傾き

部屋の真ん中を歩いてみて、ふわっと沈む感触があれば、床下地か土台が傷んでいる可能性があります。水回りの近く、特に洗面所と台所の床は、給排水の漏れで傷みやすい場所です。

傾きは、床にビー玉を置く方法が知られていますが、家具や敷居の隙間を見るだけでも見当がつきます。建具が閉まりにくい、鍵がかかりにくい場合は、建具の調整や金物の劣化のこともありますが、床や柱の傾きが関係していることもあります。

2. 雨漏りの跡(天井と押入れの雨染み)

天井のシミは、いま雨漏りしているとは限りません。過去に直した跡かもしれません。ただ、シミは過去または現在に水が回った跡です。原因は屋根からの雨漏りとは限らず、外壁やサッシまわり、バルコニー、2階の給排水、結露、エアコンの排水のこともあります。売主か不動産会社に、いつのことで、原因は何で、どう対処したのかを聞いてください。

見落とされやすいのが押入れとクローゼットの天井です。人が入らない場所なので、直されずに残っていることがあります。

3. 床下点検口の中(シロアリと湿気)

台所や洗面所の床にある四角い蓋です(床下収納庫を兼ねていることも、和室の畳の下や押入れ、廊下にあることもあります。無い家もあります)。

必ず不動産会社を通して売主の了解を取り、できれば売主側か仲介会社、同行する専門家に開けてもらってください。自分で無理に開けたり、重い収納庫を動かしたり、中に体を入れたりしません。強いカビ臭や湿気を感じたら、のぞき込まずに閉めて専門家に確認を依頼します。開けてもらったうえで、点検口の外から懐中電灯で照らすと、次のことが分かります。

  • コンクリートの上に水が溜まっていないか
  • 木部が黒く変色していないか
  • 土色・褐色の筋や筒状の跡がないか。シロアリの蟻道の可能性があります。基礎の立ち上がり、土間との取り合い、束石、配管が貫通しているところ、玄関土間や浴室まわりに出やすいところです
  • 白い粉や筋は白華のことが多く、これ自体が構造の傷みを意味するわけではありません。ただし水が通った跡でもあります。広い範囲に出ている、濡れを伴う、同じ場所に繰り返し出ているなら、漏水や排水不良を疑って専門家に見てもらいます
  • カビの匂いが強くないか

匂いは特に分かりやすい合図です。開けた瞬間にカビ臭ければ、床下に湿気がこもっています。

4. 外まわりを一周する

家の中だけ見て帰る方が多いのですが、外を一周してください。

  • 基礎のひび割れ。細い縦のひびは乾燥収縮などで見られます。ただし幅0.5ミリ以上、段差がある、斜めに入っている、錆汁が出ている、鉄筋が見えている場合は専門家に見てもらいます。0.5ミリに満たなくても、長い、本数が増えている、濡れを伴うものは確認の対象にします
  • 外壁のコーキング(目地のゴム)が切れていないか
  • 雨樋が外れていないか、詰まっていないか
  • 屋根の棟(頂上)の板金が浮いていないか。屋根には上がらず、地上から見上げて確かめます
  • 隣地との境界に杭やプレートがあるか。ただし境界標があること=境界が確定していること、ではありません。地積測量図や筆界確認書などの資料があるかを聞きます

佐世保市は海が近く、海沿いの家は金属部分の錆びが早く進みます。雨樋の金具や棟板金は、内陸の家より見ておいてください。

素人には見えないところ

正直に書きます。上の4つを見ても、分からないことのほうが多いです。

  • 壁の中。断熱材が入っているか、濡れていないか
  • 小屋裏。点検口がない家では入れません
  • 給排水管の内部。詰まりや漏れは、通水してみないと分かりません
  • 構造の状態。柱や梁がどう傷んでいるかは、仕上げを剥がさないと見えません
  • 基礎の中の鉄筋

リフォーム済みの物件は、かえって見えにくくなります。クロスと床が新しくなっていると、その下の状態が分かりません。表面の仕上げを中心に直した物件と、下地や劣化箇所まで直した物件は、見た目だけでは区別がつきません。工事の範囲・時期・記録(見積書や写真、保証書)が残っているかを確認してください。

だから、内覧で自分が見るのは「明らかにおかしいところが無いか」までです。そこから先は、建築士(既存住宅状況調査技術者講習を修了していればなお確かです)に同行を依頼するかどうかの話になります。

築年数は、2つの線で見ます

建築基準法の耐震基準は、2回変わっています。

  • 昭和56年(1981年)6月より前は、旧耐震基準
  • 平成12年(2000年)6月から、耐力壁の配置バランス、柱・筋かいの接合部、地盤に応じた基礎の仕様がより明確にされた

熊本地震(平成28年)のあと、日本建築学会が益城町中心部のうち地震動が大きく被害が著しい地域で悉皆調査を行い、その結果を国土交通省の委員会が分析しています。対象になった木造1,955棟の内訳は、旧耐震(昭和56年5月以前)759棟、昭和56年6月〜平成12年5月877棟、平成12年6月以降319棟。倒壊率はそれぞれ28.2%、8.7%、2.2%でした(国土交通省 熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会 報告書のポイント)。

なお、この集計は「建築時期別」です。耐震基準の適用そのものを見るときは、登記上の建築年月ではなく、確認済証などで建築確認を受けた日を確かめます。築年が昭和56年6月前後、平成12年6月前後の物件は特に注意が要ります。

これとは別に、住宅ローン控除や登録免許税・不動産取得税などの税制では、「昭和57年1月1日以後に新築されたか」や耐震基準適合証明書など、制度ごとに判定の仕方が違います。耐震基準の話と税制の話を同じものとして扱わないでください。

古い家を買ってはいけない、という話ではありません。古いなら、そのぶん補強の費用を見込んで総額を組む、ということです。

敷地と周辺も見ておきます

建物が無事でも、土地と周辺で費用が出ることがあります。内覧のついでに歩いて確かめられます。

前の道。車が入るか、すれ違えるか。工事のとき、大型車が入れない現場は運搬に手間がかかり、そのぶん費用に乗ります。道幅と、電柱やカーブの位置を見ておきます。

擁壁と高低差。佐世保市は斜面地や高低差のある住宅地が多く、擁壁の上や下に建つ家もあります。佐々町は佐々川沿いの平野部と中山間地で条件が変わるので、同じ県北でも道路・排水・高低差は現地で分けて見ます。ひび割れ、はらみ、水抜き穴が詰まっていないか。擁壁の補修は建物より大きな金額になることがあります。

隣地との境界。杭やプレートがあるか。ブロック塀がどちら側のものか。境界が曖昧なままだと、売るときにも困ります。

排水の方式。公共下水道か、浄化槽か、汲み取りか、農業集落排水などの集落単位の処理施設か。区域外なら浄化槽とは限りません。長く空き家だった家は、浄化槽がそのまま使える状態とは限らないので、最後の点検がいつかも聞いておきます。

日当たりと風通し。南向きでも、隣の建物や斜面で日が入らないことがあります。図面ではなく現地で確かめます。

ここまで見て買うと決めたら、次は物件価格と工事費をどう借りるかです。リフォームローンは別で借りる?中古リノベ資金の組み方にまとめています。

内覧のときに聞いておくこと

居住中の物件では、写真撮影、収納や引き出しを開けること、水を出すこと、床下点検口を開けることを、事前に確認します。私物には触れず、お子さん連れの場合は建具や設備を触らないように見ておきます。

そのうえで、売主か不動産会社に聞いておくと、あとで効くことがあります。

  • 雨漏りしたことがあるか。あるなら、いつ、どこを直したか
  • シロアリの駆除歴と、保証が残っているか
  • 給湯器・エアコンの交換時期
  • 公共下水道か浄化槽か。浄化槽なら最後の点検はいつか
  • 増築したことがあるか。確認申請や検査の履歴は残っているか
  • 境界確定の資料があるか

増築の有無は見落とされがちです。確認申請や検査の履歴が確認できない増築があると、住宅ローンや将来の売却で論点になることがあります。それだけで直ちに違法とは限らないので、資料と現地を合わせて確認します。

よくあるご質問

Q. 内覧のときに床下点検口を開けてもいいのですか?

事前に不動産会社を通して売主の了解を取ってください。売主の事情や荷物の置き方によっては開けられない場合があります。無断で開けるのは避けます。

Q. 1回の内覧で決められません。何回も行っていいですか?

2回行く方は珍しくありません。1回目と違う時間帯に行くと、日当たりと周辺の音が分かります。雨の日や雨上がりに見られると、雨樋のあふれ、敷地の水たまり、室内のシミの変化に気づけることがあります。ただし、風向きや雨量によっては出ない漏水もあるので、内覧だけで雨漏りの有無を決めることはできません。

Q. 気になるところが多い物件は、避けたほうがいいですか?

傷みの数ではなく、直す費用で判断してください。傷みが多くても価格に反映されていれば選択肢になりますし、きれいに見えても構造が傷んでいれば費用は大きくなります。

まとめ

内覧で自分が見るのは、床の沈み・天井の雨染み・床下点検口の中・外まわりの4つです。ここで分かるのは、見える範囲で気付ける異常があるかどうかまでです。異常が見えないことと、傷みがないことは同じではありません。壁の中と小屋裏と配管の中は、内覧だけでは判断しにくい部分として分けて考えます。

見えない部分が気になる物件は、契約の前に専門家へ確認を依頼する選択肢があります。売買契約を結んだあとで傷みが分かると、動きにくくなります。契約前なら、金額の交渉に使えますし、買わない判断もできます。

建築士が建物の状態を見る仕組みとして、宅地建物取引業法でいう建物状況調査(ホームインスペクション)があります。既存住宅状況調査技術者講習を修了した建築士が、国の基準に沿って、構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分を調べるものです。瑕疵の有無や耐震性能を保証する調査ではなく、壁の中や配管の内部まで分かるものでもありません。何が分かって何が分からないかはホームインスペクションは受けるべきかにまとめています。

大成住宅は建築士・宅地建物取引士に加え、講習を修了した既存住宅状況調査技術者が在籍しています。他社が仲介している物件でも、現在の仲介会社を通じて内覧や資料確認の了解が取れる場合は、建物の見立てと改修の概算に対応できます。売買条件の交渉と媒介契約の窓口は、引き続き現在の仲介会社にご相談ください。物件価格と改修費を合わせた総額の考え方は中古住宅+リノベーションに、在庫は佐世保市・佐々町の中古住宅にあります。

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