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大成住宅
コラム

ヒートショック対策|浴室と脱衣所の温度差

冬に「親を風呂に入れるのが不安」「自分も脱衣所に入った瞬間ヒヤッとする」という相談を受けます。検索すると暖房を足す方法から浴室ごと替える方法まで出てきて、どこから手を付ければいいか分かりにくいものです。結論から言うと、ヒートショック対策は居室・脱衣所・浴室の間にある温度差を縮める工事です。手を付ける順番は、いまの浴室と脱衣所に足せるものから、入れ替える工事へと進めるのが基本になります。この記事では、脱衣所の暖房から浴室ごとの入れ替えまで、それぞれ何にどう効くかと、佐世保市・佐々町の家でよく見る条件、使える補助金を整理します。

ヒートショックで起きているのは温度差です

ヒートショックという言葉は「急激な温度変化が体に負担をかけること」を指して使われています。冬の入浴では、暖房の効いた居室から、冷えた脱衣所へ移って衣服を脱ぎ、浴室に入り、浴槽の湯に浸かる、という順で温度が何度も切り替わります。この振れ幅が大きいほど負担が大きくなる、という考え方です。

消費者庁は、令和5年に「不慮の溺死及び溺水」で亡くなった65歳以上が8,270人、そのうち浴槽での事故が6,541人(家や居住施設の浴槽では6,073人)だったこと、同じ年の65歳以上の交通事故の死者が2,116人だったことを示しています。そのうえで、平成25年から令和5年までの10年間で、65歳以上の人口が14%増えたのに対し、「不慮の溺死及び溺水」で亡くなった65歳以上は31%増えているとしています(厚生労働省「人口動態統計」より。消費者庁 コラムVol.12 高齢者の事故)。

同じ資料は、冬に事故が増える原因として「温かい室内と寒い脱衣所や浴室との寒暖差などによる急激な血圧の変動」を挙げています。ここから先、「何度上がると危険」といった数値は書きません。個人差が大きく、当社が断定できる範囲を超えるためです。対策としてできるのは、温度差そのものを小さくする工事です。

足せる対策から、入れ替える工事へ

温度差を縮める打ち手は、工事の重さも費用もかなり違います。足せるものから試して、それでも足りなければ入れ替えに進む、という考え方で問題ありません。

脱衣所を暖める

4つのなかで唯一、工事がいりません。脱衣所に電気ヒーターやパネルヒーターを置くだけで済みます。賃貸でも設置できます。

縮まるのは「居室から脱衣所へ移るときの差」です。服を脱ぐ場所が冷えていない、というところまでは効きます。ただし浴室が冷えたままなら、脱衣所から浴室へ入るときの差は残ります。入浴の直前に数分つけておく使い方が一般的です。

浴室暖房乾燥機を後付けする

天井カセット型の浴室暖房乾燥機を、既存の浴室に追加する工事です。工事は基本的に1日で終わり、その日は入浴できませんが、住みながら進められます。電気配線と換気ダクトの取り回しで天井の一部を開けることがあります。

暖まるのは浴室の空気で、脱衣所そのものは暖まりません。効くのは「脱衣所から浴室へ入るときの差」です。脱衣所暖房が居室から脱衣所までを、浴室暖房乾燥機が脱衣所から浴室までを受け持つ形です。両方を入れると、服を脱いで浴室に入るまでの空気の温度差が小さくなります。24時間換気や衣類乾燥を兼ねる機種が多く、洗濯物を干す場所としても使えます。注意点として、既存の電気配線の容量によってはブレーカーの増設が必要になり、その分費用が上乗せになることがあります。現地で分電盤の容量を確認してからの見積りになります。

内窓を入れる

家の中でもっとも熱が出入りするのは窓です。既存の窓の内側にもう1枚窓を足す内窓は、単板ガラスのアルミサッシを断熱・結露対策なしで放置している家に効果が出やすい工事です。工事は住みながら進められ、1窓あたりの施工そのものは1時間程度で終わることが多いですが、窓の数や下地の補強が要るかで前後します(内窓の工期は断熱・省エネリフォームにまとめています)。

脱衣所と浴室の窓に入れると、外気の影響を受けにくくなり、部屋そのものが冷えにくくなります。浴室暖房乾燥機と違って電源を入れ続ける必要がなく、光熱費もかかりません。国の補助金の対象になっている年度もあります。詳しくは後述します。

断熱仕様のユニットバスに入れ替える

もっとも重い対策です。在来工法のタイル浴室を解体し、壁・床・天井が断熱材で包まれたユニットバスに入れ替えます。給排水と電気の工事を伴うため、工期は数日単位になり、その間は自宅の浴室が使えません。

タイルは表面が冷えたままで、暖房を入れても壁や床からの冷気は残ります。ユニットバスへの入れ替えは、浴室の躯体そのものを暖房なしでも冷えにくくする工事で、他の3つとは効き方の種類が違います。給湯器が古い家では、この工事に合わせて交換するかどうかも一緒に決めます(給湯器の交換|費用が変わる条件と選び方)。手すりの設置やまたぎやすい浴槽への交換とあわせて行うと、工事が一度で済みます(介護保険の住宅改修が絡む場合はバリアフリーリフォーム、設備の入れ替えだけの場合は水回りリフォームを参照してください)。

佐世保・佐々の家で多い条件

現地を見ていて多いと感じるのは、次の3つが重なっているケースです。

在来工法のタイル浴室。築年数の古い家に多く、床・壁がタイル張りのままだと、冬は表面温度が下がったままになります。

北向きの脱衣所。間取り上、脱衣所が北側に配置されている家が少なくありません。日射が入らないぶん、居室との差が開きやすくなります。

アルミサッシに単板ガラス。建て替え前の窓のまま、断熱・結露対策をしていない住宅で多く見る組み合わせです。ガラス1枚だと外気の影響をそのまま受けます。

この3つがそろっている家では、脱衣所暖房と浴室暖房乾燥機だけでは温度差が残ることがあり、内窓や浴室の入れ替えまで検討することになるケースが多くなります。

補助金が使える打ち手・使えない打ち手

制度が使えるかどうかは、工事の中身で変わります。

内窓の設置は、国の先進的窓リノベ2026事業の対象になり得ます。ただし無条件ではありません。性能の要件を満たすことが確認された登録製品であること、1つの申請あたりの合計補助額が5万円以上になることが条件です。窓1か所だけだと届かないことがあります。

この制度は工事完了・引渡し後に交付申請を行う制度で、着工前の申請ではありません(工事の着手後に行える予約申請は任意です)。国の制度については、交付申請の時期を理由に着工を遅らせることはありません。ただし登録された事業者による施工が条件なので、依頼先が登録しているかは着工前に確認します。

断熱仕様のユニットバスへの入れ替えは、それだけでは国のみらいエコ住宅2026事業の対象になりません。この制度は、外皮に面する開口部のある1つの居室で、開口部の断熱改修と躯体の断熱改修を行うこと(要件化工事)が申請の条件です。浴室の断熱だけでは通りません。

一方、佐世保市・佐々町の住宅性能向上リフォーム支援事業は、こちらが着工前の申請が必須です。バリアフリー化を兼ねる場合に対象になることがあります。国と自治体で申請の時期が逆なので、両方を見るなら早い段階で整理しておくところです。

脱衣所の電気ヒーターや、電気配線工事を伴わない小規模な設置は、多くの制度で対象外になります。浴室暖房乾燥機は、機種と工事の組み合わせで対象になる制度がある一方、単体では対象外になることもあります。型番の段階での確認が要ります。

制度は年度ごとに金額・受付期間が変わり、申請の時期も国と自治体で逆になっています。詳しい条件はリフォーム補助金ガイドにまとめています。

よくあるご質問

Q. 浴室に普通のエアコンを付けてもいいですか?

浴室は湿気と水がかかる環境で、一般的な壁掛けエアコンは想定されていません。浴室用に作られた浴室暖房乾燥機を選ぶことになります。

Q. 内窓だけで温度差はどのくらい変わりますか?

窓の数、方角、既存のサッシの状態で変わるため、数値ではお答えできません。脱衣所暖房や浴室暖房乾燥機と組み合わせると、居室からの移動全体で差を抑えやすくなります。現地を見たうえでご提案します。

Q. まずは何から相談すればいいですか?

今の脱衣所・浴室の窓とサッシの状態、浴室が在来工法かユニットバスかを見せていただくところから始めます。工事の重さが違うので、現地を確認してから優先順位をご提案します。

まとめ

ヒートショック対策は、脱衣所の暖房・浴室暖房乾燥機・内窓までが今の家に足す工事で、断熱仕様のユニットバスは入れ替える工事です。どこまでやるかは、家の条件と予算次第です。在来工法のタイル浴室、北向きの脱衣所、単板ガラスのアルミサッシがそろっている家では、暖房だけでは足りないこともあります。

佐世保市・佐々町で浴室・脱衣所の冷えが気になる方は、お問い合わせください。現地を見たうえで、どの段階から着手するかをご提案します。

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