アフォーダブル住宅を地方で考える|佐世保の5つの住まい方
「アフォーダブル住宅」という言葉が広まっています。ただ、東京都の取り組みは家賃を抑えた賃貸住宅の話。佐世保・佐々で家を持ちたい方にとって問題になるのは、家賃ではなく、持ち家を手に入れるまでの総額です。
長崎県でフラット35を使った人のデータを見ると、土地から新築した人と中古戸建を買った人では、世帯年収も総額も大きく違っていました。新築だけを前提にすると、選べる家は限られる。建替え、中古を買って直す、今の家を直す、壊さずに直す。5つを同じ物差しで並べれば、手の届く選択肢は増えます。
東京で話題の「アフォーダブル住宅」は、賃貸の話
アフォーダブル(affordable)は「手が届く」という意味です。東京都が進めているのは、子育て世帯などが手頃な家賃で住める賃貸住宅を増やす取り組みで、持ち家の制度ではありません(出典:東京都住宅政策本部「都における『アフォーダブル住宅』について」)。
都が合計100億円を出資し、民間の出資と合わせて総額200億円以上のファンドをつくる。2026年5月29日には、第一弾の入居者募集が始まりました。ファンド全体で見込んでいる供給は350戸程度です(出典:東京都産業労働局「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」)。
佐世保・佐々の事情は違います。家賃の高さより、家を持つまでにいくらかかるかで悩む方が多い。ご相談で「新築は無理かもしれない。何か方法はないか」と聞かれることも、珍しくありません。
長崎県の数字で見る、手に入れ方ごとの総額
住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」には、都道府県別の数字が載っています。2025年度の長崎県を並べると、次のようになります。
住まいの手に入れ方 | 世帯年収(平均) | 主な資金項目(平均) | 件数 |
|---|---|---|---|
土地を買って新築 | 687.7万円 | 建設費3,646.8万円+土地取得費1,101.1万円 | 72件 |
土地はあって新築(建替え等) | 709.5万円 | 建設費4,008.5万円 | 30件 |
中古戸建を購入 | 558.1万円 | 所要資金2,411.5万円 | 49件 |
出典:住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」集計表(第1表 地域別都道府県別主要指標)
目を引くのは世帯年収の差。土地から新築した人の平均は700万円近く、中古戸建を買った人は550万円台。同じ長崎県の中でも、手に入れ方によって必要な収入の水準が変わります。
ただし、これはフラット35を使った人だけの平均で、長崎県の件数は数十件しかありません。土地の値段や家の大きさで、実際の金額は上にも下にも動く。「手に入れ方で総額が大きく変わる」ことをつかむための数字として見てください。
年収から逆算する、5つの住まい方
新築だけを選択肢にすると、土地代と建物代を最初にそろえることになります。地方で手の届く住まいを考えるなら、次の5つを並べて比べるのが早い。
住まい方 | かかるお金の中身 | 向いている方 |
|---|---|---|
① 土地から新築 | 土地代+建物代+諸費用 | 希望のエリアに土地があり、長い資金計画を組める方 |
② 建替え | 解体費+建物代+諸費用 | 実家や今の土地を活かしたい方 |
③ 中古を買ってリノベ | 物件代+改修費+諸費用 | 土地が見つからない方、立地を優先したい方 |
④ 今の家をリノベ | 改修費(住みながら/仮住まい) | 住み慣れた場所で、間取りや性能を変えたい方 |
⑤ 壊さずに直す | 必要な部分の改修費 | 構造は活かし、設備・外まわり・内装を新しくしたい方 |
①と②は、建物を新しく建てるぶん総額が大きくなります。そのかわり、間取りも性能も一から決められる。大成住宅には、決まったプランから選ぶセミオーダーの階(きざはし)があります。プランと仕様が先に決まっているので、金額のあたりが早くつきます。
③〜⑤は、建物を活かすぶん総額を抑えやすい選択肢です。どこまで直すかで金額の幅が大きく変わる点には、気をつけてください。部位ごとの改修費の目安は中古住宅+リノベーションのページにまとめました。費用は仕様・構造・建物の状態で変わるため、実際の金額は現地を見てからお見積りします。
中古+リノベは「買う前」で決まる
5つのうち、いちばん判断が難しいのが③。物件の値段が安く見えても、買ったあとに直すところが次々に見つかれば、総額は新築に近づいていきます。
現場で傷みが見つかりやすいのは、床下と小屋裏。土台が湿気で傷んでいる、シロアリの跡がある、雨漏りの染みが梁に残っている。どれも内覧のときには見えません。1981年5月以前の旧耐震基準の建物なら、耐震補強の費用も見込んでおく必要があります。
土地の条件にも落とし穴があります。敷地が建築基準法上の道路に2m以上接していないと、その土地では建替えができません(再建築不可)。直して住むことはできても、将来建て替えたくなったときの選択肢がなくなる。
中古を買うなら、買う前に建物と土地を見ておく。大成住宅は宅地建物取引業と建設業の両方を手がけているので、物件のご案内と、改修にいくらかかるかの見立てを同じ窓口でお伝えできます。進め方は中古住宅+リノベーションのページにまとめています。
リノベと中古購入で使える補助金
佐世保市には、性能を上げるリフォームへの補助(住宅性能向上リフォーム支援事業)があります。子育て世帯が居住誘導区域内の中古住宅を買う場合の、購入費への補助(子育て応援住宅支援事業)もある。ただし令和8年度分は予算の上限に達して、受付を終えています(出典:佐世保市「子育て世帯の中古住宅購入費への補助事業のご案内」、2026年9月24日更新)。
補助金は、年度ごとに金額や受付期間が変わるものです。予算に達して、年度の途中で受付が終わることもある。佐世保市のリフォームの補助は着工前の申請が必要で、工事中や工事後のものは対象外です。佐々町の制度も含め、最新の金額と条件は佐世保市・佐々町のリフォーム補助金のまとめで確かめてください。
④の今の家をリノベする場合も、範囲によって進め方が変わります。間取りから変えるならまるごとリノベーション、設備や外まわりだけなら部分的なリフォーム。補助金の対象になるかどうかも、工事の範囲で決まります。
5つを同じ物差しで並べる
新築か、中古か、リノベか。迷うのは、比べる物差しがそろっていないからです。新築は「土地+建物」、中古は「物件代」、リノベは「改修費」。別々の数字で考えていては、どれが安いのか判断できません。
物差しは2つで足ります。「住める状態になるまでの総額」と「毎月の返済額」です。この2つで5つを並べれば、ご家族の収入と暮らし方に合うものが見えてくる。
大成住宅は、新築もリノベも不動産の売買も同じ窓口で受けています。創業34年。佐世保・佐々の土地と建物を見てきた技術者が、営業担当を通さず直接ご相談に応じます。新築にするかリノベにするか、決まっていない段階で構いません。土地や物件の情報、今の家の築年数がわかれば、比べる材料をお出しします。
よくある質問
Q. アフォーダブル住宅は、佐世保や長崎にもありますか?
東京都の「アフォーダブル住宅」は、都が民間と組んでつくるファンドの賃貸住宅で、都内の取り組みです。長崎県や佐世保市に同じ名前の制度はありません。地方で手の届く住まいを考えるなら、中古住宅の購入やリノベーションも含めて、持ち家の総額を比べるほうが現実的です。
Q. 中古住宅を買ってリノベする場合、住宅ローンは使えますか?
物件の購入費と改修費をまとめて借りられるローンがあります。金融機関ごとに扱いが違い、改修の見積りを先に求められることもあります。物件を決める前に、改修費の見立てと資金計画を一緒に考えておくと進めやすくなります。
Q. 新築とリノベ、どちらにするか決まっていなくても相談できますか?
できます。決まっていない段階のほうが、比べられる選択肢は多く残ります。土地や物件の候補、今の家の状況を伺い、総額と毎月の返済額で並べてお伝えします。
